なぜ手作りする料理が大切なのか?心理学と研究でわかる驚きの効果

外食やデリバリーが手軽に利用できる時代になりました。忙しい日々の中で「料理を作る時間がない」と感じる方も多いですよね。
でも、ふと実家に帰ったときに母の味噌汁を飲んだり、友人が作ってくれた料理を食べたときに「なんだかホッとする…」と感じた経験はありませんか?

私自身も、仕事で疲れて帰った夜に、冷蔵庫にある食材で簡単にお味噌汁を作ったとき、なぜか気持ちが落ち着いたことがありました。ほんの一杯の温かい汁物が、心のエネルギーを回復させてくれたのです。

(下記の道具は、料理教室でもよく使っていて、生徒さんにも人気のアイテムです)

手作り料理がもたらす心理的効果

心理学では、人は自分の行動が自律性・有能感・関係性を満たすときに幸福感を感じやすいといわれます。料理はまさにその実践。

小さな達成感が自信につながる

例えば、料理教室で「初めて出汁をひきました!」と生徒さんが言ったときの笑顔。シンプルな作業なのに、「自分でできた」という達成感が伝わってきます。

私自身も、まだ学生のころ、初めて一人でお弁当を作ったときの感覚を覚えています。見た目は少し不格好でしたが、「これを昼に食べるんだ」と思うと胸が高鳴りました。自分で作ったものは味以上に、小さな自信を与えてくれるのです。


家族や人間関係への影響

料理は人と人をつなぐ不思議な力を持っています。

食卓が生む絆

わが家では週末に家族で餃子を包むことがあります。子どもが変な形の餃子を作っては大笑いしたり、誰が一番きれいに包めるか競争したり。こういう時間は、出来上がった餃子以上に心に残ります。

私の思い出の中にも、家族で手巻き寿司をした夜があります。海苔にご飯を広げすぎて巻けずにぐちゃっとなり、みんなで大爆笑。今思えば、あの笑い声こそが最高の調味料でした。

研究が示す「家族の食卓効果」

スタンフォード大学の調査では、家族で食卓を囲む回数が多い子どもほど、学業成績や幸福感が高いことが明らかになっています。私の経験からも、料理がもたらす「時間の共有」が心の栄養になると感じています。


長期的な健康・ライフスタイルへの影響

「今日食べて終わり」ではなく、手作りは未来にも影響を与えます。

研究が示す健康寿命への効果

イギリスで行われた20年以上の追跡調査では、自炊する人ほど生活習慣病のリスクが低く、健康寿命が長いことが確認されています。

私も以前、外食が続いた時期がありました。便利さの一方で体が重く感じたり、肌の調子が悪くなったり。そこで自炊を増やしたら、数週間で体調が回復。体は正直だなあと実感した瞬間でした。


手作り料理の“隠れた価値”

「でも、料理って面倒だなあ…」と思うときもありますよね。私も疲れている日は「今日はお惣菜でいいかな」と思うことがあります。

食材と向き合う時間が心を整える

いざ自分で野菜を切り始めると、不思議と気分が落ち着いてくるんです。トントンという音や香りが、頭の中をリセットしてくれるような感覚。

そして、私自身の体験談なのですが――食材を前にして「これをどう料理しようかな?」と考えると、なぜか心がワクワクしてくるんです。冷蔵庫にある野菜を組み合わせて新しい一皿を作る。その小さな発想が、日常をちょっとした冒険に変えてくれます。

さらに、子どもと一緒にお菓子を焼いたとき、部屋中に広がる甘い香りに自然と笑顔が増えました。香りの記憶は「幸せな時間」と結びつきやすく、まさに五感を満たすセラピーのようです。


今日から始める“心理学的に続けやすい習慣”

「いきなり毎日料理!」と気合を入れると続かないこともあります。だからこそ、心理学的に続けやすい工夫をおすすめします。

小さなルールで続ける

たとえば、まずは週1回だけ自炊することから。あるいは**“月曜はカレーの日”と決める**のも立派な習慣づくりです。

私も以前、忙しい時期には「朝ごはんだけは自分で作る」と決めていました。卵を焼くだけでも「自分で用意した」という気持ちが残り、その日一日の活力になったのです。小さなルールだからこそ、無理なく続けられました。


まとめ

手作り料理は、

  • 自分を満たす心理的効果
  • 家族や仲間とのつながり
  • 長期的な健康

を支えてくれる、人生の味方です。スタンフォード大学の調査やイギリスの追跡研究も、その価値を裏付けています。

「次のご飯、今日はちょっとだけ手作りしてみようかな?」
そんな気軽な一歩が、未来の自分を幸せにしてくれるのです。

この記事を書いた人

柿澤ひとし