
プロローグ:キッチンの相棒、どれを選びますか?
キッチンにはいろいろな道具がありますが、毎日欠かさず手に取るものといえば――そう、包丁。料理の入り口にいるのが、包丁なんです。
でも、生徒さんからよく聞かれます。 「やっぱり高い包丁っていいんですか?」「何を選べば失敗しないですか?」と。
今日はそんな包丁選びについて、“一生モノの視点”と“料理の楽しさ”という2つのキーワードでお話ししたいと思います。
包丁は「使い捨て」じゃない。「育てる道具」です
包丁って“使って終わり”じゃないんです。ちゃんと研げばまた切れる。メンテナンスすれば、また応えてくれる。
仮に2万円の包丁を20年使うとします。 1年あたり1,000円、1ヶ月約83円、1日3円弱。
つまり、「3円で料理のモチベーションが上がる相棒」が手に入るんです。缶コーヒーどころか、駄菓子より安い(笑)
研ぐことも、包丁との“会話”になる
包丁は、切れ味が落ちたら研いであげることでまた生き返ります。
でも正直、「砥石で研ぐのって難しそう」と思う方も多いでしょう。そこでおすすめなのが、何度かカチャカチャと引くだけで切れ味が戻る簡易シャープナー。
そしてもう一つ大事なのは、「研ぎ直しサービスがある包丁メーカー」を選ぶこと。
自分で手に負えなくなっても、プロの手で新品のような切れ味が戻る。つまり、買ったあともずっと付き合える“育てる道具”になるんです。
中途半端な包丁こそ、実は「いちばん高くつく」?
「とりあえずこれでいいかな?」と安価な包丁を選ぶと、 切れ味がすぐに落ちたり、柄がぐらついたり…買い替えが続けば、結局は何本分もの出費に。
さらに、料理がうまくいかないストレスまで買っていることも。
それなら、最初に少し背伸びしてでも「長く使える一本」を選んだ方が、 結果的にはお得でストレスもなし。つまり、実は“合理的な選択”なんです。
道具が変わると、料理のモチベーションも変わる
良い道具を手にすると、「今日は何を切ろうかな?」「冷蔵庫の残り物で何か作れそう」と、 自然と前向きな気持ちになります。
切れ味の良い包丁でトマトをスッと切った時の気持ちよさ。魚の身が美しくおろせた時の達成感。
そんな“小さな感動”が、料理を続けたくなる原動力になります。
包丁ひとつで変わる気分。それって、案外すごいことなんです。
包丁は買って終わりじゃない。「育てながら使う」楽しみを
良い包丁は、切れ味が落ちたらまた研いで、また活躍してくれます。
でも「砥石で研ぐのはちょっと…」という方には、以下の方法をおすすめします:
[実用ガイド]「育てる包丁」のためのメンテナンス3パターン
メンテナンス方法 | 特徴 | 向いている人 |
---|---|---|
砥石で研ぐ | 切れ味が長持ち。プロ級の仕上がり | 技術に自信がある人 |
シャープナー | 手軽。数回引くだけで回復 | 忙しい人/初心者 |
メーカー研ぎ直し | プロの仕上げ。新品同様に戻る | 丁寧に長く使いたい人 |
私がおすすめする「簡易シャープナー」3選
- 京セラ セラミックロールシャープナー:水不要。軽くて扱いやすい。
- グローバル スピードシャープナー:GLOBAL包丁との相性抜群。
- 貝印 コンビシャープナー:粗研ぎと仕上げが一体型。
研ぎ直しできる国内のおすすめ包丁メーカー
- 堺孝行(さかいたかゆき):プロも愛用。研ぎ直し対応あり。
- 藤次郎(とうじろう):ステンレス系で初心者にも扱いやすい。
- ミソノ刃物:精密な造り。アフターケアも安心。
まとめ:3円で手に入る、料理の相棒
2万円の包丁を20年使えば、1日たったの3円ちょっと。
その3円が、「料理って楽しい」「もう一品作ってみようかな」につながるなら、 決して高い買い物ではないはずです。
包丁は、“育てていく道具”。 一緒に時を重ねて、料理の時間をもっと心地よくしてくれる相棒。 そんな一本に、出会ってみませんか?