レシピじゃ伝わらない、料理教室のほんとの魅力

最近、ふと思うんです。
レシピ本や動画ってすごく便利になっていて、どんな料理でも一通り作れるような気になりますよね。
でも、料理教室をしていると、「動画を見てもイマイチわからなくて…」って言って来てくださる方が本当に多いんです。

たとえば「この火加減で合ってるのかな?」「どのタイミングで調味料を入れるのが正解なの?」なんて、ちょっとしたことでつまずいてしまう。
レシピには書いていない、音とか香り、具材の様子とか…そういう“空気感”みたいなものって、やっぱり画面越しじゃ伝わりづらいんだなぁと、日々実感します。

料理教室では、「ここ、もう少し炒めてみましょうか」とか、「お味見してみて、どう感じます?」って、ひとつひとつ確認しながら進めていける。
それだけで、みなさんの表情がふっと和らぐ瞬間があるんです。ああ、今ちょっと自信が持てたんだな、って。

私も昔は、レシピを見て「この通りにやればできるはず!」って思ってたけど、やっぱり実際に“誰かと一緒に作る時間”って、すごく大事だったんですよね。

教室のいいところは、質問がしやすいこと。
「え?今のお味噌ってどのくらい入れました?」なんて、すぐに聞けるし、実際に味見して、「これがいいバランスか〜!」と納得できる。
そして何より、「あ、それ私も苦手だったけど、今は得意になりました!」なんて、生徒さん同士で自然と会話が始まるのを見るのも、私の楽しみのひとつです。

試食の時間は、ちょっとしたご褒美タイム。
「おいしい〜!」って笑い合う声が聞こえるたびに、教室をやっていてよかったなぁって思います。

たった数時間のレッスンなのに、帰る頃には「私でもできるかも!」って、ちょっと前向きな気持ちになっている。そんな瞬間をたくさん見てきました。

料理って、誰かと一緒に作ると楽しいし、学びも深い。
うまくいかなくても笑いながら、またチャレンジしようって思える場所。
料理教室は、そんな“あたたかいきっかけ”が詰まった場所なのかもしれません。

この記事を書いた人

柿澤ひとし